親世代と子世代が、近くに住むことを言います。負担を感じずにお互いが行き来できる程度の距離で、30分以内が目安とされています。「同居」の割合は年々低下していますが、ほどよい距離感がある「近居」の割合は上がり続けています。
一番距離が近い「近居」のパターン。親子で同じマンションを購入し、別フロアに住むケースが最近多くなっています。それぞれが独立した住空間を持ちながら、5分以内に行き来できるスープの冷めない距離。二世帯住宅よりもプライバシーを保つことができ、外出しなくても気軽に会える関係が魅力です。
親が住まいを購入し、子世帯の近くに引っ越すパターン。老後に備えて、便利なマンション暮らしを選ぶシニア層が増えていることが背景にあります。元気なうちに住居を移し、子や孫との関係を大切にする新しいライフスタイル。子世帯にとっては、生活基盤を変えずに親の近くに住めるメリットがあります。
新居を購入する際、親世帯の近くで物件探しをする若い夫婦が増えています。適度な距離感を保ちながらお互い助け合って暮らしていこうと、一軒家、マンションに関わらず人気がある選択肢です。自分たちにとって、心地よく感じられる程よい距離はどのくらいなのか、よく考えて決めることが肝心です。
近くに住むことを理由に、頭金の支援をお願いしやすくなります。頭金が増えれば借入額が減り、毎月の返済額を抑えられます。親から贈与された住宅取得資金は非課税になります。(※限度額あり)
食料品をはじめいろいろな物品をもらえたり、外食したときにご馳走してくれたり。子供の学用品や教育費など、何かと援助が期待できます。もちろん、良好な関係を保っていることが前提です。
親に子供の世話を頼めると、共働きがしやすくなります。長引く不況でサラリーマンの平均年収が下がる中、夫婦共に働ける環境は重要。金銭面の不安を解消でき、心にもゆとりが生まれます。
育児を母親一人でするのは大変なこと。近くに親がいれば、とても助かります。近居している既婚者世帯は52%、うち乳幼児の子育て中と思われる25~34歳の世帯では62%を占めています。
近居ならではのゆるやかで温かいつながりは、子供のこころを豊かにします。大家族を体験し、たくさんの人の愛に触れて育った子供は、人に愛を与えられる大人に成長していくことでしょう。
相手の行動が丸見えになる同居の場合、どうしても干渉しがちになり、ストレスが生じます。程よい距離がお互いの生活スタイルを守り、会いたいときにはすぐ会える近さが絆を育みます。
家族の健康は、見えなければ見えないほど心配になるもの。近居なら、日頃から親の健康状態を把握できます。病気やケガ、介護が必要になったときも、すぐに対応できる安心感があります。